インフラ・運用見積もり
ファイル転送に何分かかる?時間内に送れる?
使うツール
大きなバックアップを送る前に、作業時間へ収まるか知りたい。回線に100Mbpsと書いてあっても、1GBを100で割れば終わりではありません。ファイルはbyte、回線はbitで表すことが多く、実際にファイルの転送へ使える割合も別に考えます。データ転送時間で、単位と仮定を見える形にして計算してみましょう。
1GiB・100Mbps・効率80%を計算する
size: 1 GiB
speed: 100 Mbps
efficiency: 80%容量へ1、単位へGiB、速度へ100Mbps、効率へ80%を入力します。結果は107.3741824秒、約1分47.37秒です。実効速度は80Mbpsになります。ここで80%は実測値ではなく計算用の仮定です。利用中の回線が常にこの効率で転送できると保証する値ではありません。
1,073,741,824 byte × 8
÷ (100,000,000 bit/s × 0.8)
= 107.3741824 sbyteからbitへ8倍してから、毎秒何bitを運べるかで割ります。効率80%は0.8です。80で割ってしまうと100倍の誤差になり、byteの8倍を忘れると8倍の誤差になります。結果が極端に短い場合は、回線の性能を疑うより前に、この二つの単位変換を確かめます。
1GBに変えると、同じ1でも100秒
容量の単位だけをGiBからGBへ変え、値は1のままにすると100秒になります。1GBは1,000,000,000byte、1GiBは1,073,741,824byteだからです。この操作は同じファイルの表示単位を換算したのではなく、入力する容量そのものを変えています。同じファイルを別単位で表したいなら、容量単位変換で値も変換してから使います。
転送ソフトがMB/sやMiB/sで表示している値を、Mbpsの入力欄へそのまま入れないでください。100Mbpsは、効率を考えない単位換算では12.5MB/sです。実測で10MB/s出ているなら、それ自体がすでに実効的な転送量を表している場合があります。そこへさらに80%を掛けると、効率の低下を二重に見込むことになります。
効率を一点で決めず、条件を振ってみる
1GiB、100Mbpsのまま、効率を100%、80%、50%で比較すると、85.89934592秒、107.3741824秒、171.79869184秒です。効率が半分なら時間は二倍です。実測がない段階では、一つの細かい秒数だけを確定値のように報告するより、条件を変えた幅を示す方が、見積もりの不確実さを伝えられます。
効率は0%より大きく100%以下で指定します。0%なら有限の時間で転送が完了するモデルにならず、100%を超える値はこの効率定義と合いません。圧縮で転送するデータ自体が減るなら、効率を100%超にするのではなく、送る容量を圧縮後の見積もりへ変えるなど、何が変化したかを分けます。
60秒以内に送りたいなら、必要速度を逆算する
必要速度を求めるモードで1GiB、60秒、効率80%、速度単位Mbpsを選びます。必要な回線速度は約178.96Mbpsです。これは平均してその効率を維持するモデル上の必要値であり、その表記以上の回線を契約すれば必ず間に合うという意味ではありません。容量が二倍なら必要速度も二倍、時間を二倍許せば必要速度は半分になる関係も確かめられます。
逆算結果を時間計算へ戻すときは、表示を丸めた178.96だけでなく、必要に応じて詳細な数値を使います。表示の丸めで60秒からわずかにずれても、式が矛盾したとは限りません。実作業では準備、接続、検証、失敗時の再試行もあるため、転送本体の60秒と作業全体の60秒を同じ締切として扱わないようにします。
回線を速くしても、半分にならないことがある
この式では速度を二倍にすれば時間は半分です。しかし実際の転送では、読み出し元のストレージ、書き込み先、CPU、暗号処理、小さなファイルごとの待ち時間などが制約になることがあります。計算結果との違いは、すぐに回線障害を意味しません。ツールはこれらの要因を測定せず、入力された平均速度と効率で一つのモデルを計算します。
同じ合計容量でも、一つの大きなファイルと多数の小さなファイルは、同じ効率とは限りません。実測を見積もりへ使うなら、本番に近いファイル構成や転送方向の記録を用意します。ダウンロード速度をアップロードの見積もりへ流用するなど、測定した条件と予定する条件の違いにも注意します。
見積もりには、秒数と仮定をセットで残す
『約108秒』だけでなく、『1GiB、100Mbps、効率80%を仮定した転送本体』と残します。表示の桁数は計算上の細かさであり、将来の完了時刻をその精度で当てられるという意味ではありません。作業時間の判断には、条件を変えた複数の見積もりと、手元で確認できる実測を合わせて使ってください。
合計1GiBでも、一つのファイルと十万個のファイルは違う
合計容量が同じならこの式の結果は同じですが、実際の転送ではファイルを開く、一覧を調べる、権限を確認する、通信を開始する、といった処理が繰り返されます。小さいファイルが大量にある場合、回線でbyteを運ぶ時間以外が目立つことがあります。この計算機へファイル数や一件当たりの待ち時間は入力していないので、その差は自動的に見積もられません。一つの大きなファイルで測った効率を、小さいファイル群へそのまま当てはめてよいかは別途確認します。
一方、ファイルをまとめて圧縮すれば必ず早くなるとも言えません。圧縮と展開に時間が必要で、既に圧縮済みの画像などでは容量があまり減らない場合もあります。転送時間だけを比べるなら圧縮後の容量を入力できますが、それは作業全体の終了時間ではありません。圧縮、転送、展開、確認という工程を分けておくと、どこを短縮したいかが明確になります。モデルに含めていない工程を、通信効率の一つの数字へ無理に押し込めないようにします。
見積もりを改善するなら、同じ条件で測った実効速度を基に効率の候補を決めます。測定値が回線速度を超えるように見えた場合は、MB/sとMbpsの取り違え、キャッシュ、圧縮前後の容量などを先に確認します。転送効率へ100%を超える値を入れて帳尻を合わせるのではなく、何を何秒で移したのかを整理します。結果の秒数を小数点以下まで表示できることと、現場でその精度の予測ができることは別です。